ルトの独り言 |
熱冷ましにクソ寒い城下町をあるく。
まだ喉が少し痛い。 気を抜くとすぐに発火してしまう為に、寝れもせずに結構イライラが溜まっていた。 表通りからは外れた通りに一軒の武器屋がある。 目当ては其処だ。 以前は其処でハルバードを購入した。 月光の戦場に置いてきてしまったが、良い品だった。 でも、まだあの店あるだろうか? 正直流行っている店ではなかった。 場所が悪い場所が。 熱い息を吐きながらサクサクと雪を踏んで歩く。 溶けてしまえこんな雪。 あぁ、見えた。ぼろい看板が見えた。 立て付けの悪いギシギシ悲鳴を上げる扉をくぐり、店内へ。 武器屋と言うのは、異様な空間だと思う。 何かを壊し、殺すために鍛え上げられた凶悪な連中が面を並べている。 お互い喧嘩もせず、ただ出番を待つこいつ等。 ・・・ふん。 店主と目が合う。 居眠りをしていたのだろうか? 眠そうな目をしている。 パイプに葉を詰め、咥えて火をつける。 真面目に接客をする気はどうやらなさそうだ。 自由に見ればいいのだろう。 ぐるりと店内を見渡す。 元々、棚に収まっている様な小さな物には興味がない。 ん、・・・あれは何だろう? 興味を惹く物が、否。何か惹き付ける存在感を発するものが見つかった。 左の壁にバツ字を描くように掲げられた2振りの斧。 柄が随分と長い。片刃の斧だ。 140~160cmはあるだろうか? 斧の頭は60~70cm。 斧なのかポールウェポンなのか判別つきづらい。 正直、我の感性では小さな武器だ。 うーん。 片方を手にとって見る。 意外とずっしり重量感はあるが、それでもやはり力を使えば、少し物足りないだろう。 うーん? ふと、壁に残されたもう一つを見る。 片割れの欠けた其れは如何にも寂しげだ。 壁に斧を戻す。 安心したように、ぴたりと其処へ収まる其れ。 店主。こいつ等売られる気無いぞ。 文句を言うて見た。
by patira
| 2006-12-18 17:13
| ルトの日々
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